A.はい、条件が付いていますが、5年を超えない期間、日本料理の調理師として日本で就労が可能です。
これは平成26年2月に決定された、農林水産省が実施する「日本料理海外普及人材育成事業」の対象となる場合は、「特定活動」ビザが付与されて、日本食の料理師として就労することが可能です。
「取組実施機関」は、調理師養成施設のうち、次の要件をすべて満たし、日本食及び食文化の海外普及の人材育成に必要な事務を実施する者とされています。
- 自習計画の策定及び計画に基づく活動の実施に必要な事務を行う人員が確保されていること
- 健全かつ安定的な経営状況であると認められること
- 職業安定法に基づく職業紹介の許可を受けていることまたは届出を行っていること
外国人調理師の条件は以下の通りです。
- 取組実施期間において、日本料理の調理師たるに必要な知識及び技能を習得し、成績優秀かつ素行が善良である事
- 日本料理の知識及び技能を高めようとする意志、および帰国後、日本食及び食文化を世界へ発信する意思を有すること
- 特定日本料理調理活動への従事を開始する時点で満18歳以上である事
日本料理店とは、日本料理店、料亭、そば・うどん店、すし店、お好み焼き・焼きそば・たこ焼き店及びほかに分類されないその他の飲食店が該当するとしています。
この育成事業を用いれば、このような日本料理のお店で、日本料理を学びながら就労することが可能となります。
ただし、この実習計画は5年を超えないものであると定められていますので、5年後は、本国へ戻ることが予定されています。
この辺りは、いわゆる「技能実習」と同じ趣旨に基づいて作られているのだと考えられます。
農林水産省では、帰国した外国人が日本料理の海外への普及にかかわる事業に就業した場合は届けることを義務として、その実態を把握し、必要な指導や支援を行うことを約束しています。
また、実習計画を終えて帰国した外国人は、日本食レストラン海外普及推進機構に通知することが予定されていて、サポートを受けることが可能な道も備えられています。
もし、もう一度、日本で仕事をしたい場合、日本料理の料理人として日本に在留するビザはありませんから、調理師以外で就労する必要があります。
外国人ご本人が、経営を学ぶ大学院を卒業しているとか、実は本国で3年以上お店を経営する立場にあった等、特別な事情がある時は、日本料理のお店を自分で経営すれば「経営・管理」のビザが付与される可能性はあります。
もしくは、大学を卒業しているのであれば、チェーン展開しているような日本食を扱う企業に「技術・人文知識・国際業務」のビザで就職することも、可能性があります。