A.はい、2020年時点で永住審査は新しいステージに入りました。昔の永住審査と全く違うものとなっていますので、注意が必要です。
どうも、新宿は高田馬場の入管業務専門の行政書士の辻です。
2019年7月から永住審査は非常に厳しいものに変化しました。
ここでは、それに関して詳しく説明いたします。
1、永住申請の審査が厳格化された根拠
これは、2018年12月4日に公布された、最新の入管法改正が原因となっています。
この改正入管法の目玉は在留資格「特定技能」が出来たことです。
これにより、5年で34万人の外国人労働者を増やすことが国の目標となりまいた。
そして、この入管法改正において、参議院で行われた付帯決議の中にこのように書かれています。
「近年の我が国の在留外国人数の増加を踏まえ、在留外国人からの永住許可申請に対しては、出入国管理及び難民認定法第二十二条第二項の要件の適合性について、厳格に審査を行うこと。」
つまり、在留外国人がさらに増えるのだから、永住審査を厳格化しないといけないという趣旨です。
これにより、2019年7月からは永住申請に必要な書類は2~3倍に増えました。
厳格化後の結果が、最近になって出てきており、どのくらい厳しくなったかがわかってきたということです。
2、具体的な例
①年収の要件
通説では、世帯年収が300万(+70万×自分を除く世帯人数)というものでした。
*年収にはボーナスを計算して大丈夫です。
これに関しては、まだ、それほど変更は無いようです。
もちろん、2019年7月以前は、3年分しか審査しなかったのが、現在は5年分が審査されます。
5年の内、どこかの1年だけでも年収が基準に達しないと、許可は難しくなります。
実際は、年収要件ではなくて独立生計要件なので、生活に対する支出が少ないことを証明できれば、通説の基準より年収が低くても年収要件を満たすことが出来る可能性もあります。
例えば、公営住宅に住んでいる、実家に住んでいる、持ち家に住んでいる等のすぐ証明できるものはきちんと説明しましょう。
ただし、これからどんどん、必要な年収の基準は上がっていくようです。
ちなみに、日本人・永住者の配偶者と子は、独立生計要件がありません。
この場合は、生活保護を受けない程度の世帯年収が求められています。
ただし、この場合でも、年金や健康保険は、適法に収めるべきです。
②健康保険や年金
2019年7月以前は、年金や健康保険はとにかく支払ってれば、何もいわずに永住者の許可が出ました。
現在は、非常に、非常に、非常に、厳しい審査がなされています。
会社にお勤めで厚生年金、社会保険に加入している場合は、問題はありません。
しかし、そうではなく、国民年金、国民健康保険の場合は、注意が必要です。
未納は、まず認められませんし、遅れて納入することも認められません。
納入が3日遅れただけでも、永住審査が不許可であったケースもあります。
どんなに、年収が高くても、国民健康保険や年金の遅納は、即アウトです。
必ず、自動引き落とし制度を用いて、絶対に遅れることの無いようにすべきです。
さらに、会社の社長で在留資格「経営・管理」の方は、会社が厚生年金適用事務所である場合、加入していることが求められます。
会社が適法に経営されているかどうかが、社長本人の永住申請に影響を及ぼすわけです。
厚生年金加入義務があるかどうか、きちんとチェックする必要があります。
なお、年金と健康保険は、基本的に2年間の適法納入期間が必要ですが、その前はどうでも良いという話ではありません。
3年前の納入状況が違法であるとして、不許可となったケースさえあります。
3、もはや「あら捜し」としか…
噂では、入管は1年間に永住許可を出す数をどこまで減らすかという数字目標を持っているようです。
その目標数字を達成するために、審査を非常に厳しくして、少しでもダメなケースは全部不許可にするというような意気込みが、永住審査の厳格化には感じられます。
数日の遅納でさえ不許可にするというケースは、昔であれば考えられないことでした。
現在の、永住審査は、昔の永住審査とは全くの別物であり、条件が非常に厳しくなったと言わざるを得ません。
ですから、もし、今から永住申請をしようとされる方は、年収・年金・健康保険などを全て完璧にしてから、申請されることをお勧めします。
残念ながら、入管に申請の件を問い合わせても「個別案件についてはお答えできません」と、何も教えてくれません。
そして、2019年7月以前に永住が許可されたお友だちから話を聞いても、現在においては全く通用しません。
永住申請に何か疑問がある、この場合は大丈夫なのかというお問い合わせは、当事務所でも受け付けております。
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