9月1日に上陸拒否をしない「特段の事情」が更新されました。
入管は、9月1日に在留資格を持っている外国人に対して再入国を認める運用を始めたことはニュースなどで大々的に報じられています。
これにより、いま在留資格を持っている方は、再入国が出来るようになっています。
さらに、9月1日に更新された「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否について」には重要な変更がなされています。
全文はコチラ(http://www.moj.go.jp/content/001327502.pdf)
1、重要な変更点
それは、「2特段の事情について(3)」です。
(3)8月31日までに再入国許可をもって現在上陸拒否の対象地域に指定されている国・地域に出国した者であって,その国・地域が上陸拒否の対象地域に指定された後,再入国許可の有効期間が満了し,その期間内に再入国することができなかったもの(注3)
つまり、再入国許可(みなし再入国も含まれます)を受けて出国中に、上陸拒否措置がなされてしまい、再入国できず、
そのまま再入国許可の有効期限を満了したものも、特別な事情があるとして、入国できることになりました。
ここで重要なポイントは、再入国許可の有効期限は通常みなし再入国の場合は、1年なのですが、正確に言うと「出国から1年もしくは在留期限まで」とされていることです。
当然、在留期限が切れれば、再入国許可も切れるわけです。
よって、この(3)は、再入国できず、在留期限が過ぎてしまった外国人も、適用されるということです。
このことは、既に出入国在留管理庁出入国管理部審判課に電話で確認済みです。
2、入国の条件
この(3)には、「注3」がくっついています。
これを引用するとこのようになっています。
(注3)入国目的等に応じて,地方出入国在留管理局において,在留資格認定証明書の交付を受けるとともに,滞在先の国・地域の日本国大使館・総領事館において,査証の発給を受ける必要があります。
つまり、在留資格認定証明書を持っているものということです。
在留資格認定証の交付は既に通常通り始まっていますし、在留期限が切れてしまった方の同じ在留資格の認定証交付申請は特急で行われる運用となっています。
よって、この注3の条件はそれほど厳しいものではありません。
3、結論
9月1日の運用変更により、上陸拒否措置で再入国が出来ず、在留期限が切れてしまった方においても、
在留資格認定証があれば、日本大使館で手続きを経て日本に入国が出来るようになりました。
これは制度上は新規入国と同じですが、ベトナムやタイでしか始まっていない新規入国とは違い、特別扱いをしているものです。
なお、現在は新規入国、再入国においても出国予定日の72時間以内のPCR検査の陰性証明書が必要です。
詳しいことは、お近くの在外日本大使館へお問い合わせください。
普段は、非常に冷たい入管ですが、これに関しては、きちんと在留資格が切れてしまってどうしようもなくなってしまった方々に対しても、9月1日から始まった再入国の緩和に合わせて、救済措置をしてくれました。
もともと、在留期限がたまたま上陸拒否と重なってしまった方と、そうでない方と再入国のタイミングがずれることは平等原則に反するものなので、当たり前と言えば当たり前の措置なのですが、その当たり前が出来ないのが日本の役所の良くないところです。
しかし、今回はいい仕事をしたと思います。
いつも、このような心のこもった政策運用をしてくださればよいのにと切に願います。