• 10:00-17:00(電話応対時間)
    メールは、24時間対応
  • 03-6279-1582
    080-3504-3823

    まずはご相談ください!

Blog

新型コロナウィルスにおけるビザと在留資格への影響 Mar 30, 2020

新型コロナウィルスにおけるビザと在留資格への影響

最近、様々なニュースが流れています。

デマも飛び交って非常に混乱している状態でありますが、新型コロナウィルスによってビザや在留資格へどのような影響があるのかをよく見ていきたいと思います。

1、日本ではロックダウンなんて、幻想だ

いろんなことを政治家の口からききますが、まず、事実を述べなければなりません。

日本の法律では、首都封鎖ということは出来ません。

新型インフルエンザ等特別措置法、いわゆる「特措法」においても、私たち個人の外出自粛は『要請』に過ぎないからです。

この法律では、警察や自衛隊を動員して、強制的に自宅待機させるということが、不可能です。

地震などの自然災害においては、災害派遣が自衛隊ではできますが、ウィルスでは自然災害とは定義できません。

いま、自衛隊は空港などに、派遣されておりますが、あれは災害派遣ではありません。
「自主派遣」という形をとっており、これも実に法源は弱く、ギリギリの判断だと考えられます。


なによりも、無症状キャリアがウィルスを広める可能性がある今回の新型コロナには、この特措法は全く太刀打ちできないのです。

政府が本気で今回の新型コロナ対策を取ろうとするならば、与野党を総動員し、国会での法改正をすべきであると思いますが、現状は全くその気配はありません。


ゆえに、まず、自宅の外に出られなくなるということは(法改正をしない限り)起きえませんので、落ち着くことが重要です。

この前、入管に行きましたらとある外国人が、「東京がロックダウンしちゃうから来ました」と言っているのを聞きました。
日本人でさえ混乱しているのに、外国人の方が正確な情報をつかむのは非常に大変であると思います。

ぜひ、周りにいる外国人の方を安心させていただきますように、お願いします。

2、まず、政府やマスコミの言葉の使い方に注意せよ

今朝(3月30日)、様々なニュースで米中韓から外国人入国拒否という題が並びました。

これは、言葉の使い方が間違っています。

正しくは「上陸拒否」です。

そんな細かいこと、どうでもいいでしょう?と思うかもしれませんが、法律というのは言葉で出来ているので、言葉がとても大切な意味を持っています。
これをないがしろにすれば、法律の意味が通らなくなります。

入国とは、領空、領海に入った時点で入国となります。
ゆえに、入国拒否するということは、飛行機や船が領空領海に入ることを拒否するという意味になってしまい、自衛隊がそのたびにスクランブル発進するようなことです。

実際、入国拒否など行われず、行われるのは上陸拒否です。
上陸というのは、日本の地に足を踏み入れるという意味で、実際上は、上陸審査をパスした瞬間に上陸するということになります。

なぜ、マスコミが入国拒否を使うのか、わかりやすいからそうするのか不明ですが、ここを間違うと、意味も全く違ってしまします。

ロックダウンも、出来もしないのに、政治家は軽々しく口にします。
ギリギリとか言ってますが、出来ないのですから、ギリギリもなにもないのです。

これは外出自粛の要請を容易にするために、ブラフで脅しているに過ぎません。

やるなら、法律や条例を改正しなければいけませんが、その覚悟はたぶんないでしょう。

ですから、マスコミ、政府に関しても言葉の使い方が間違っているかもしれないと一度考えることは非常に重要です。

この論理からすると、私のこの文章も、一度疑ってみなければダメです。
自分で情報を収集して、自分の頭で考えることが最重要です。

3、ビザと在留資格の違いを今こそ覚えよう

私たちは、ビザと在留資格を普段、ごっちゃ交ぜに使っています。
ですから、ビザが停止されると政府が言うと、自分の持っているものがビザだと思っている外国人の方々は焦ってしまうのです。

まず、落ち着いて、ビザと在留資格の違いを認識してください。


ビザ(査証)とは、日本に上陸するときに外務省によってパスポートに付与されるものです。
ですから、ビザが無ければ日本に上陸することは出来ません。(例外はビザなし渡航を許可されている場合です)

しかし、ビザが無くても日本に在留することは可能です。
ビザは上陸許可を得るときに、この人が上陸に際して許可され得るものであることを証しするものに過ぎないからです。

ビザは外務省の管轄であって、上陸の場面、つまり、海外⇒日本に来るときにしか使いません。
これが重要な事実です。

そして、再入国許可を受けている人は、上陸の時にビザを使いません!
だから上陸審査の窓口が違うのです。


在留資格とは、外国人が日本で在留しようとするときにどのような活動を行っているかを表しているものです。

全ての日本に在留している外国人は、それぞれ一つの在留資格を持っています。

ですから、在留資格というのは、日本国内でしか使いません。
この在留資格の審査を行うのは、法務省の管轄の出入国在留管理庁です。

私たちが「ビザの更新します」と言っているのは、実は「在留期限の更新」であって、在留資格をどうこうしているわけではないのです。


まとめると、

ビザは管轄が外務省で、上陸の時に使う。
在留資格は、管轄が法務省で、日本国内で使う。

こういうことです。

4、ビザの新規発給の停止、発給済みビザの効力の停止というのはどういうことでしょうか?

これは、ビザの話ですから、まず管轄は外務省です。
ですから、ビザの情報は全て外務省のホームページに載っています。

そして、ビザですから、新しく日本に上陸しようとする外国人にしか関係が無いことが、わかります。

つまり、ビザの停止は、今在留カードをもって日本に在留している外国人には何ら関係ないということです。


再入国許可を得て海外から日本へ戻って来る方に関しても、ビザを用いて上陸するわけではありませんので、関係がありません。

あくまで、新しく日本に上陸しようとする方だけです。


ですから、ビザ停止という言葉を聞いても、日本にいらっしゃる外国人の方はびっくりしないでください。

5、上陸拒否とはどうやって行っているのか?

一方、先ほどニュースで入国拒否という間違っている表現が使われてしまっていた「上陸拒否」は、どうなっているのでしょうか?

これは、実は法務省の出入国在留管理局によって行われています。

上陸拒否は、入管法第5条に列記されている上陸拒否事由に該当する場合に、日本への上陸を拒否することが出来ることに基づいて行われるからです。
さて、全体は非常に長いので、まず、入管法5条1号を見てみましょう。

一 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)に定める一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症若しくは指定感染症(同法第七条の規定に基づき、政令で定めるところにより、同法第十九条又は第二十条の規定を準用するものに限る。)の患者(同法第八条(同法第七条において準用する場合を含む。)の規定により一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症又は指定感染症の患者とみなされる者を含む。)又は新感染症の所見がある者

感染症の話がありますから、これこそが今、上陸拒否をしている根拠だなと思ってしまいがちです。
惜しいのですが、違います。

この1号は、「患者、又は所見があるもの」と書いてあります。
患者であることがはっきりとわからない状態、つまり、無症状では、この1号をもって上陸拒否を出来ません。

もちろん、熱が既に高い場合は、1号に従って上陸拒否がなされます(むしろ、後述する検疫法によって隔離されます)。

では、今回の上陸拒否の根拠はどこにあるのか、それは上陸拒否事由の最後の14号にあります。

十四 前各号に掲げる者を除くほか、法務大臣において日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者

無症状の方を上陸拒否することは1~13号まで全てできないのです。

ですから、ある一定の地域から来た外国人は、「日本国の利益又は公安を害する存在である」と認定しましょうという論理で、14号に該当させているのです。

ものすごい苦肉の策にしか思えませんが、日本は疫病にかかっているかどうかわからないが、危ない人の上陸拒否をする法律がないことが原因です。


以下は、思考実験ですから、本当にやらないで欲しいのですが、
この法理論に基づけば、新型コロナウィルスの陰性証明書などを携えている外国人は、論理的には上陸できる可能性があります。

もちろん、政府の方針として、ある地域から来た外国人は、とにかく全員14号に該当するという運用なので、陰性証明書があっても無理だとは思います。

6、上陸拒否が在留資格に影響を与えるか?

上陸拒否も日本に上陸する場面でもちいられるので、在留資格自体には何ら影響を与えません。

しかし、再入国許可を受けて日本に入国しようとするときに、上陸拒否事由は有効となります。

つまり、もし上陸拒否されている地域から、再入国許可をもって日本へ再上陸するときは、出来ないということです。

このとき、在留資格はそのまま有効です。再入国許可も有効です。
しかし、上陸拒否事由に該当してしまい、戻ってこれないわけです。


ここでの問題は、コロナウィルスの影響が長引いたりして、在留資格の期限を過ぎてしまった、または、再入国許可の有効期限を過ぎてしまった場合です。

入管は、この場合、在留資格は無くなるといっています。

つまり、在留期限が海外にいても延長されるなどの処置は全くなされません!注意が必要です。

ただし、新型コロナウィルスの影響によって上陸できなかった外国人が、新しく在留資格認定証交付申請をするときは特例があります
この時は、この認定申請に係る疎明資料は、会社などの受け入れ機関の理由書だけでよく、ほぼ疎明資料0で認定申請が出来ます。

注意点は、上陸拒否事由に該当する地域にいる外国人に関する在留資格認定証交付申請の審査は、保留されるという点です。

ですから、たとえ新型コロナウィルスの影響で再入国できず、在留資格を失ったとしても、すぐには認定証交付申請が出来ません。
提出できますが、保留されてしまいます。
この場合は、最低限、上陸拒否が解除されてから、認定申請をすべきです。


29日未明に報道されている、米中韓全域で上陸拒否(3月30日時点では決定されていません)となると、再入国できなくなるわけですから、早く日本に入国する他ありません。

また、全ての認定証申請も保留されるので、大きな影響が出てしまいます。

7、海外から来たときの14日の自宅待機要請は何なのか?

最後に蛇足ですが、現在、特定の地域から日本に入国した場合「14日の自宅待機を要請する」と厚労省は言っています。
しかし、この根拠はどこにあるのでしょうか?

結論的には、「どこにもない」のですが、これは厚労省の管轄である検疫法を見なければなりません。

まず検疫法14条1号2号です。

第十四条 検疫所長は、検疫感染症が流行している地域を発航し、又はその地域に寄航して来航した船舶等、航行中に検疫感染症の患者又は死者があつた船舶等、検疫感染症の患者若しくはその死体、又はペスト菌を保有し、若しくは保有しているおそれのあるねずみ族が発見された船舶等、その他検疫感染症の病原体に汚染し、又は汚染したおそれのある船舶等について、合理的に必要と判断される限度において、次に掲げる措置の全部又は一部をとることができる。

一 第二条第一号又は第二号に掲げる感染症の患者を隔離し、又は検疫官をして隔離させること。
二 第二条第一号又は第二号に掲げる感染症の病原体に感染したおそれのある者を停留し、又は検疫官をして停留させること(外国に当該各号に掲げる感染症が発生し、その病原体が国内に侵入し、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときに限る。)。

ここに、1号は隔離、2号は停留とあります。

そこで、隔離は、つぎのように行われます。

第十五条 前条第一項第一号に規定する隔離は、次の各号に掲げる感染症ごとに、それぞれ当該各号に掲げる医療機関に入院を委託して行う。ただし、緊急その他やむを得ない理由があるときは、当該各号に掲げる医療機関以外の病院又は診療所であつて検疫所長が適当と認めるものにその入院を委託して行うことができる。

隔離は、病気に罹患している『患者』を、指定医療機関や診療所に隔離するということです。

患者ですから、自宅待機は出来ず、全て指定医療機関や診療所へ隔離されます。
ということは、今回の新型コロナウィルスのように無症状の人に対しては、患者であると認定することは非常に難しいわけですから、隔離措置はなかなか出来ないということです。

これは上陸拒否事由が入管法5条1項1号ではなく、14号を根拠にして拒否しているのと事情が似てます。

次に停留は、次のように書かれています。

第十六条 第十四条第一項第二号に規定する停留は、第二条第一号に掲げる感染症の病原体に感染したおそれのある者については、期間を定めて、特定感染症指定医療機関又は第一種感染症指定医療機関に入院を委託して行う。ただし、緊急その他やむを得ない理由があるときは、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院若しくは診療所であつて検疫所長が適当と認めるものにその入院を委託し、又は船舶の長の同意を得て、船舶内に収容して行うことができる。
2 第十四条第一項第二号に規定する停留は、第二条第二号に掲げる感染症の病原体に感染したおそれのある者については、期間を定めて、特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関若しくは第二種感染症指定医療機関若しくはこれら以外の病院若しくは診療所であつて検疫所長が適当と認めるものに入院を委託し、又は宿泊施設の管理者の同意を得て宿泊施設内に収容し、若しくは船舶の長の同意を得て船舶内に収容して行うことができる。

今回の新型コロナウィルスは、第2条第2号に該当しているので、第16条1項ではなく、2項に該当します。
そこで2項の場合は、指定医療機関だけではなく、宿泊施設などに収容したり、船舶内に収容したりも出来ることになります。

ですから、武漢からのチャーター便で帰ってきた人たちを三日月ホテルに入れたり、客船を停留させてその中で収容していたりしたのは、この停留措置です。

ただ、この停留についても、かなりのコストがかかるため、チャーター便や客船などまとまった人たちをどうするか?という特別な場合にしか用いられていません。

では、14日の自宅待機要請は、どこに書いてあるのでしょうか?

ええ、そうなんです。検疫法には全く書いてありません。

ですから、これは法の根拠はなく、ただの要請でしかありません。
もちろん、拒否することも出来ます。
拒否したらどうなるかは分かりませんが、拒否という事情だけで、入国拒否することは違法だと考えます。

また、交通公共機関を利用しないようにするというのも、法の根拠はなく、お願いベースの話となります。
一度上陸してしまえば、この人がどのような経路でどこへ行くか追うすべはないのです。

ちなみに、検疫法は、日本人・外国人変わりなく適用されます。
入管法の上陸拒否は外国人だけです。

よって、最近問題となった拒否の問題が起こります。
外国人の上陸拒否がなされている国・地域から帰ってきた日本人が、お願いベースの検査や自宅待機を破るということが行われてしまうわけです。

日本人なので、上陸拒否することができず、しかし、検疫法では検査などを強制できないために、こういう問題が生じてしまうのです。

この辺りは、検疫法自体も、新型コロナウィルスに対する無症状の人への対応を念頭においてないからそうなるのです。

今は、お願いベースでの要請が行われていますが、早急の検疫法改正が必要だと思います。

8、まとめ

様々な話をしてきましたが、まとめるとこのような感じです。

・まず焦らない

・政府・ニュースの言葉は、一度疑う

・再入国許可を得て海外にいる方は、日本に帰国することを早急に検討する

・うがい手洗いを徹底する

というところでしょうか。

現在の法律では、強制的に個人の権利を制限することは出来ません。
要請というお願いベースのことしかできていないので、拒否しようと思えば拒否できます。

そして、私の個人的な願いですが、地方自治体においては条例を、国においては法律を改正し、新型コロナウィルスの最大の特徴である無症状の罹患者に対応も可能な形にするべきであると思います。
この中で、自宅待機を強制するなら、その違反者に対する過料、罰金を設定し、権利を制限することに対する補償をすべきです。

全世界での収束は、まだまだ先のことですから、きちんとした衛生管理リテラシー、法リテラシー等をもって生活して頂きたいと思います。


外国人の方におきましては、この時期に入管に行くのは大変なことですから、このようなときこそ、在留資格の申請を行政書士や弁護士に依頼してください。
そうすることで、入管にいる人の数を減らすことができますので、新型コロナウィルス対策となり得ます。

ぜひ、私たちがコロナショックを乗り超えていくことを心から祈っています。

ビザ申請に関する質問をお待ちしております!

About Us

当事務所は、東京の高田馬場で外国人のビザ申請取次を専門的に扱っております行政書士事務所です。

入管へのビザ申請は、もちろん、ご自分でもできますが、入管法を知らないでやっても、許可される確率は非常に低いです。入管法に精通し、入管という「お役所」を良く知る行政書士の辻にお任せ下さい。

高田馬場にいらっしゃった折には、ぜひ、お立ちより下さい!

LINKs

東京入国管理局
日本行政書士会連合会
東京行政書士会

的場貴彦行政書士事務所様(熊本)
office-matoba.jp

Address

LINEのIDです。

Visa4you.tokyo © All Rights Reserved, Designed by Daisuke Tsuji