• 10:00-17:00(電話応対時間)
    メールは、24時間対応

Blog

永住申請の必要書類が一部また増えました。 Sep 21, 2022

永住申請の必要書類が一部また増えました。

こんにちは、新宿は高田馬場で入管業務専門の行政書士の辻です。
永住申請に必要な書類が増えました。

この影響を受ける方は、基本的に、扶養を受けて日本に滞在している永住者の配偶者、日本人の配偶者である方、また、単独で永住申請される在留資格「家族滞在」の方です。

具体的に何が変わったかというと、文章的にはほんの少しの変化です。

以下、永住者・日本人の配偶者の方が永住申請するための案内のホームページです。
 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/zairyu_eijyu01.html

この中の、

 『6、直近(過去3年分)の申請人及び申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料』
 『7 申請人及び申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料』

これが変化した箇所です。

何が変わったかというと、今まではこのようでした。

 『直近(過去3年分)の申請人の所得及び納税状況を証明する資料』
 『申請人の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料』

今までは、基本的に、申請人だけが所得と納税の証明書を出せばよかったのです。
しかし、それが申請人が扶養されている場面では、その扶養者の所得・納税関連の書類を出せという運用に変更されました。

扶養されている申請人の立場に分けて、考えてみましょう。

1、単独で永住申請される家族滞在の方

実はこのような方は、基本的にいらっしゃいません。

在留資格「家族滞在」の方が永住申請するタイミングは、扶養している方と一緒に同時に申請します。

もし、先に扶養している方が単独で永住者となると、その配偶者は在留資格「家族滞在」ではなく、在留資格「永住者の配偶者等」とならなければなりません。

このようなことから、単独で永住申請しようとする在留資格「家族滞在」の方は、存在できないからです。

もちろん、扶養者が永住者となった後に、扶養されている家族滞在の方が、在留資格「永住者の配偶者等」へ変更申請する前に、永住申請したときには、一時的にですが、在留資格「家族滞在」のまま永住申請するような事態となります。
ただ、この場合は、在留資格「永住者の配偶者等」へ変更申請しなければならないので、永住申請してから、速やかに変更申請をしなければなりません。

普通はこのような危ない橋は渡らないので、在留資格「永住者の配偶者等」へ変更申請をして、変更が許可されてから、永住申請をします。

このようなわけですから、これ以上は、これに関して議論する必要がありません。

2、扶養を受けている日本人・永住者の配偶者の方

本論に入る前に、日本人・永住者の配偶者の方は、今持っている在留資格が就労系ならば、通常の婚姻期間が3年以上あるなら、永住申請が出来ます。
つまり、在留資格「日本人の配偶者等」や在留資格「永住者の配偶者等」に変更してから、永住申請する必要はありません。

特に、東京入管においては、在留資格「日本人・永住者の配偶者等」は在留期間が短く設定される可能性が高いです。
ですから、もし、日本人や永住者と結婚した場合でも、そのままの在留資格を維持したほうが、永住申請が早い事があります。
(ケースバイケースで違います)


さて、扶養を受けている日本人・永住者の配偶者の方が永住申請するときに、
扶養している方の所得と納税関連の書類を出すことは、実は、永住ガイドラインから考えると不当である可能性があります。

永住ガイドラインは、以下のURLにあるように、入管が永住申請の審査に関して、その基準のようなものを示したものです。
https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyukan_nyukan50.html
(正確には、これは許可基準ではなく、あくまでガイドラインということになっています)

このガイドラインには、3つの要件が書いてあります。(一部省略してあります)

①素行が善良であること
②独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
③その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
 ア原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。
 イ罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務を適正に履行していること。
 ウ現に有している在留資格について,最長の在留期間をもって在留していること。
 エ公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

ここで、ただし書きとして、このように書いてあります。
「※ ただし,日本人,永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には,(1)及び(2)に適合することを要しない。」

このただし書きをそのまま読めば、日本人・永住者の配偶者の方は、①素行善良②独立生計は満たす必要がありません。
ということは、独立生計を証明するために、所得・納税関連の書類を使うことは出来ないということです。

そんなことはないと信じたいですが、審査官が独立生計要件の審査をするために、所得・納税関連の書類を見て判断してしまう間違いが起こる可能性を否定できません。

ですから、日本人・永住者の配偶者の方が永住申請するときは、所得・納税関連の書類を、独立生計要件の判断に使わないように理由書などに書いておくことが必要です。


では、入管が所得・納税関連の書類をどこに使っているのかといえば、③の特に「イ」を判断するために用いています。
所得の多さではなく、納税関連が適法に行われているか判断しているということです。

最近の審査においては、国民年金や国民健康保険の未納、もしくは遅納(1日でも遅れて払うとアウトです)が厳しくチェックされます。


問題は、今回の提出書類の追加は、申請人本人ではなく、扶養している方(=配偶者たる日本人・永住者)の所得・納税関連の書類が必要だと言っている点です。

もちろん、最近よく永住申請の不許可理由で多いケースとしてある、以下の様な場合、
つまり、年130万以上の給与の年収があるけれども、社会保険の手続きをしなかったことが適切ではないと判断されるようなケースはあります。

この場合は、年収が130万超えそうな年に手続きをしなかった本人が悪いので、これで不許可になるのは、仕方がありません。


ただ、そのような問題もない場合、例えば、本人は無職+国民年金3号+社会保険カードを被扶養者として所有しているようななどの場合は、申請人本人に、適法な税金や社会保険の納付の責任があるとすることは出来ません。

扶養している方の所得・納税関連の書類の中で問題が起きそうなのは、以下の様な場合だけです。

扶養者している方が個人事業主で、この方が世帯主だったが、世帯主としてきちんと国民健康保険を納めなかった場合だけです。

このときは年金の納付責任は、申請人本人なので、扶養している方の書類は関係がありません。

といっても、万が一、扶養している方の納税関係に何らかの問題があった場合でも、それが申請人の責任であるとまでは評価することは非常に厳しい、もしくは不当と言わざるを得ません。

配偶者として、国民健康保険をきちんと払っているのか?という指導をやるべきだったのに、やらなかったことが永住申請の「日本国の利益に合すると認められない」と評価する原因であると言われても釈然としないでしょう。


そもそも、日本人・永住者の配偶者の方の永住申請に、その方を扶養している日本人・永住者は全く関係がない話であることは明らかです。

さらに言えば、日本人・永住者の配偶者の場合の永住申請では、独立生計要件は必要ないのですから、所得を証明する資料は要らないはずです。

にもかかわらず、このような改定をしたということは、永住ガイドラインからみて不当であって、永住審査をするうえで過剰な審査であると言わざるを得ないでしょう。

3、結論的に

入管が永住ガイドラインを逸脱して、日本人・永住者の配偶者の永住申請の場合でも、その世帯年収を判断材料として見ているならば、永住ガイドラインを改定すれば良いだけのことです。
このガイドラインは、法令でもないし、許可基準でもないので、いつでも改定することが可能だからです。

そうしないのであれば、永住申請に必要な書類として、所得を証明する書類を求めるという文言を全て外すべきです。

現状この変更は、「入管は永住申請を非常に厳しくしているんだ!」という意図を明示的にバラしているという効果しか生んでいません。

さらに、入管は日本人・永住者の配偶者の永住申請であっても、世帯年収を見るよという誤解まで与えるような書き方です。


実際に、日本人・永住者の配偶者の方が永住申請するときは、入管の提出書類の一覧に従って、すべての資料を提出すべきです。

私のこの記事を見て、「不当なんだから、じゃあ、出さないで申請してみよう」と考えて申請してから不都合が生じても、私は責任は持ちません。

大切なことなので、もう一度言いますが、提出資料に関しては、入管の指示をきちんと守りましょう。

しかし、日本人・永住者の配偶者の方の申請の場合は、きちんとすべての書類を提出しながらも、理由書の中で、独立生計要件が不必要であること、もし扶養している方だけの納税関係の問題があっても申請人には帰責性がないこと等も、きちんと書いておくべきです。


ちなみに、日本人・永住者の配偶者の永住申請において、世帯収入『だけ』や、扶養されている方の納税関係の問題『だけ』で不許可とされた場合に遭遇したとして、
入管は永住ガイドラインに違反して不許可を判断したことになりますが、不許可という処分自体が違法かどうかは、裁判で争うしかありません。

永住ガイドラインは、ガイドラインにすぎず、許可基準ではないということを考えると、厳しい戦いになると思います。
裁判においては、金銭と時間が相当な重たい負担となるでしょう。

ですから、不当な理由で不許可とされたとしても、指摘された問題をきちんとクリアして、永住申請をし直す方がはるかにコストは小さいことがほとんどです。

このようなわけなので、永住申請においては、まず大切なのは、提出書類の中でどこが審査の中で問題となりそうなのか、議論が産まれそうなのかを察知して、
その議論を、自分に有利な方向に判断してもらうように、永住ガイドラインなどを使って論述する必要があります。

永住申請は、どんどん難しい方向へ変化してきています。
永住申請をしようとする方は、書類のチェックだけでも、お近くの専門家に相談しに行った方が、スムーズな審査に繋がっていくでしょう。

P.S.

世帯年収が永住申請における許可の基準に満たない在留資格「日本人・永住者の配偶者等」の在留期限は、何度、更新しても「1年」となります。
これは、永住申請がガイドライン上、年収要件を不必要としているため、世帯年収が低い世帯には永住者の許可を出したくないという意図のために、永住申請が出来ない「1年」を付与していると考えられています。

ずっと、在留資格「日本人・永住者の配偶者等」で在留期限が「1年」となっている方は、世帯年収をあげることを検討し始めた方が良い場合が多いです。

ビザ申請に関する質問をお待ちしております!

About Us

当事務所は、東京の高田馬場で外国人のビザ申請取次を専門的に扱っております行政書士事務所です。

入管へのビザ申請は、もちろん、ご自分でもできますが、入管法を知らないでやっても、許可される確率は非常に低いです。入管法に精通し、入管という「お役所」を良く知る行政書士の辻にお任せ下さい。

高田馬場にいらっしゃった折には、ぜひ、お立ちより下さい!

LINKs

東京入国管理局
日本行政書士会連合会
東京行政書士会

的場貴彦行政書士事務所様(熊本)
office-matoba.jp

Address

LINEのIDです。